ハーモニーフィールズ

“霧”のニーナ  Nina la brume (Anne Ratsimba)

歌 Chant

1979年、マダガスカル生まれ。3歳の時にフランス中央部ブルボネーに移り住む。ギタリストである父からジャズやボサ・ノヴァを知り、同じくギタリストである兄からオルタナティブ・ ロックやパンクを知る。16歳の頃からジャズ専門のラジオで働きながら、シンガーとしての活動をスタートさせる。フランスやアメリカで活動するミュージシャンとセッションを繰り返し、 R&Bやジャズ、パンク、エレクトロ・ミュージックをバックボーンとし、自らの唱法を確立していった。また、音楽や演劇、サーカスを融合させた子供向けのショーをプロデュースするという 活動も行っている。2010年、様々な音楽に対応できる実力のあるシンガーを探していたル・バルーシュからの要請を受けバンドに加入。確かな歌唱力に加えパフォーマンスで観客を魅了できる、 極めて存在感のあるシンガーである。

“吊りヒモ”フローレン  Flo la Bretelle (Florent Sepchat)

アコーディオン Accordeon

1981年、フランスのノルマンディー・カーン生まれ。9歳からアコーディオンを始め、15歳でドラマー/シンガーである父親のバンドで演奏活動をスタートさせる。 音楽教師になるために入ったトゥールのミュージック・スクールで、一時期アコーディオンが時代から外れた楽器なのではないかという疑念を抱きベースやピアノに転向したが、 クラシック、ロック、ファンク、ジャズ、ワールドからコンテンポラリーやシャンソンまで様々な音楽に親しみ、リシャール・ガリアーノの革新的なアコーディオンのアプローチ に感銘を受けたことで、アコーディオンに新しい可能性を見出した。以来、彼はル・バルーシュの他に、ジャズやファンクを演奏する「ラ・グトネ」というバンドや、 ヴァルカン・グルーヴの「イグランカ」というバンドなどでも実験的な演奏を試みている。コンポーザーとして極めて高い能力を発揮し、鋭い感覚を持つフローレンだが、 普段は笑みを絶やさないとても温厚な人柄である。

“バスク”のペドロ Pedro le Basque (Pierre Mager-Maury)

マヌーシュ・ギター Guitare manouche

まるで恋人のようにギターを愛するペドロがギターに興味を覚えたのは、父親が彼にギターのコードを弾いて聴かせたのが始まりだった。ギターにのめり込んだ彼は、 レゲエ、メタル、シャンソン、フラメンコというスタイルを経てジャズを演奏するようになる。そして、ル・バルーシュのメンバーと出会ったトゥールのミュージック・スクールで、 ジャンゴ・ラインハルトと30年代のミュゼットに傾倒し現在のスタイルを確立した。また彼は、2000年にフランス国家最優秀職人章を授与されたギター職人アラン・レフォールのもとで ギター作りを学んでおり、自らのマカフェリタイプのギターも彼自らが作り上げたものである。また、ル・バルーシェの他に「マダム・イルマ」というジャンゴ・ラインハルトを 彷彿とさせるバンドのメンバーでもギターを弾いている。フランスの文化的・音楽的遺産を守り通したいという意志を持つ一方、大の親日家でもあり特にマンガ・アニメは日本人以上に造詣が深い。

“幸福”のカール Carl le Vernis(Carl Cordelier)

ベース Base

幼少の頃よりピアノを習得。次第に低音に惹かれ、エレキベースを始める。その後16歳でフランスの若き音楽家によるコンクールJMF (Jeunesses Musicales de France)のファイナルへ進出。 トゥールにあるコンセルバトワールではコントラバスを専攻した。その後ジャズに魅せられた彼は本格的にジャズを学ぶため ≪ Jazz a Tours ≫へ入学。 学業に励むかたわら、様々な店での演奏活動や音楽研究を続けた。彼のベーシストとしてのキャリアはフランスの各地域にある複数の形態の店でのレゲエやファンクやキューバ音楽 そして勿論ジャズといった異なったスタイルの接触により実に豊かだ。

“税金” のジャンジャン Jean-Jean la Taxe (Jean-Francois Caire)

ドラム Batterie, annonce

1979年、フランスのノルマンディー・ルーアン生まれ。5歳から13歳までヴァイオリンと歌を音楽学校で学び、17歳からドラムとパーカッションを演奏し始める。20歳からトゥールの ミュージック・スクールに在籍するかたわら、別のミュージック・スクールにも在籍しサンバを始めとするブラジル音楽も学ぶ。またサウンド・ペインティング・オーケストラ をはじめ、数々のプロジェクトに参加し、2002年にル・バルーシュの母体である、音楽集団「ラ・ソーグルニュー」を設立、ディレクターを務め、自身もル・バルーシュを含め3つの バンドに参加するなど、メンバー随一のマルチ・タレントぶりを発揮している。

サウンド・ペインティング
指揮者がその時に欲しい音や状況・場面を1000通り以上ものジェスチャーを駆使し、奏者や演者、舞台照明などに指示することで、音楽や演劇などを生み出す指揮者による インプロヴィゼーション(現代即興)のこと。1980年半ばニューヨークのウォルター・トンプソンによって生み出された。