ハーモニーフィールズ

インタビュー Interview

― 歌を通じて一番何を伝えたいと思っていますか?

日常生活の一場面やその瞬間に世界がどう見えたかというイメージ、また小さな町に起こっている現実の話を取り上げ、人間の感情の退廃と、自然など、いつの時代も変わらないものへの向き合い方について問題提起したかった。一方で、私たちは誰しもが人類を救いたいと思っていて、特に、この厳しい時代には愛が希望を得るための答えとなると信じている。(「道化師は世界を変えることができない」に登場する)道化師のように、世界を変えようとし続けたい。

― あなたにとってストリートパフォーマンスとは?

主な活動場所は、ボローニャの中心街で歴史的建造物が残る「マッジョーレ広場」です。歌い始めると、たくさんの人々が地べたに座って、私の音楽に耳を傾けてくれます。それは素晴らしい瞬間です。 質問が、なぜストリートパフォーマンスをするようになったかということであれば、私自身、街角で良い音楽を聴くことのできる素晴らしさを知っていて、それによって聴く人が素敵な一日を送ることができるかもしれないと可能性を感じるからです。

― 何歳から音楽を始めましたか? 誰かの影響ですか?

1980年代にフォークバンドのシンガーをしていた父親と、6歳の頃から一緒に歌っていました。そして、9歳の時にギターを習い始めました。あるクラシックの巨匠は、私には音楽の道はないと言いましたが、私は気にしませんでした。多分、自分は正しかったんだと思います。

― 影響を受けたミュージシャン、映画、書籍は?

元々、ファブリツィオ・デ・アンドレやフランチェスコ・デ・グレゴーリ、エドアルド・ベナートといったイタリアのソングライターの曲を演奏するのが大好きでした。10代の頃にはロックに目覚め、レッド・ツェッペリンやピンク・フロイドに夢中になりました。今の音楽活動で言うと、ジョニー・キャッシュやボブ・ディラン、ニール・ヤング、トム・ウェイツ、ジェフ・バックリィといったアメリカのフォークやブルースのミュージシャンに影響されているところが大きいです。そして、愛してやまないのがレゲエ音楽であり、ボブ・マーリーのパワーにはいつも惹かれます。 レイ・チャールズやジョニー・キャッシュの生涯を描いた映画が好きです。多くの人々を魅了した偉大な音楽家の歩みをたどると、人々に届くようなメッセージ性のあるよりよい音楽を作ろうという意欲が湧いてきます。このほか、ピンク・フロイドのアルバムのストーリーを映画化した「ザ・ウォール」やレッド・ツェッペリンの「狂熱のライヴ」、アニメ映画「ハウルの動く城」からは大きな刺激をもらいました。影響を受けた作家はジョージ・オーウェルで、小説「1984年」は自分自身を見失う怖さを描いた作品です。

― パドヴァ大学では 何を学んでいたのですか? 大学時代に得たものは?

大学ではアート、音楽&パフォーマンスを学び、そこで芸術的表現への広い視野を身につけ、さらに、全ての芸術がその中心に持っている普遍的な価値に焦点を当てることを学びました。また、ミュージックセラピーという新しい音楽の一面も発見しました。音楽には癒しの効能があり、それが病気の治療にも役立ちます。ミュージックセラピーの手法ついては別の学校で学び始めています。

― 日本のイメージは?

日本はとても特色のある国で、歴史が長く、自分たちの国に対する独自の情熱があるように感じます。若い世代も古い文化を保存したり、自然を大切にしたりしている姿勢が、日本の素晴らしい雰囲気を作り出しているのだと思います。