クラヤはスウェーデン北部、白樺の街として知られるウメオで誕生したグループ。 女声四声だけという、楽器を一切排除した完全なるアカペラ・グループ。 その天使の様に美しいハーモニーは、世界中から「北欧白夜とオーロラの森から、天使 たちのヴォイス」として紹介されている。 2002年活動開始、2005年のデビューアルバムがヒットし世界にその名を知られるようになった。 メンバーはリサ、エヴァのレスタンデル姉妹と、リネア・ニルソン、フリダ・ヨハンソンの4人。
音楽専門の学校で出会った4人は、多くの時間を心をあわせて唄うことに費やした。 エヴァは 「キュールニング※」というスウェーデンに伝わる伝統歌唱法も習得し、それ ぞれが生まれた土地に残る伝承歌を唄いはじめ、 「Umea Folk Music Festival in 2002」の 初コンサートを行う。 スウェーデンの伝統音楽を4人のアカペラで歌うそのスタイルとアレンジは、 ユニークなポリ フォニーのサウンドを有し、スウェーデンで最も注目すべきボーカルグループの一つとして高い 評価を受けている。 スウェーデンやドイツを中心に、ヨーロッパ各地でその美声を披露しており、 レパートリーはスウェーデン各地に残るラヴ・ソング、ララバイ(子守唄)、 リリジャス・ソング(賛美歌)等 を厳選している他、オリジナルをも収録している。 クラヤの特徴はレパートリーのアレンジにあり、非常に表情豊かに歌われている。 メンバーのソロが 混声へと移行するあたりや、ハーモニーの付け方等は正に絶品。 野原をすり抜けるそよ風のような 心地好さと、時折除かせる叙情が心に染み渡るかのよう。 スウェーデン・グラミー賞にノミネートされたアルバム 「Skaren: Norrland III」 にはゲストとして招かれた。 その後、大ヒットアルバム「ブルサンド・ハヴ Brusand Hav」を含む5枚のアルバムを発表。 クラヤのサウンドの特徴はユニークなサウンドとポリフォニー。 メロディーが幾重にも重なり、不思議な 世界へと誘い、目の前に北欧の森が広がる。 今年9月にはクリスマスアルバム 「北欧の冬、そしてクリスマスを歌う」をリリース。早くも話題作と なっている。 過去4度来日公演も成功させ、2015年はNHK BS 世界で一番美しい瞬間(とき) 「妖精の森が黄金に輝くとき~スウェーデン・ウメオ」で紹介され、一気に日本で人気グループとなった。 同年 六本木ヒルズアリーナで開催された「Roppongi Hills Christmas Concert 2015」 のメインアクトとして3日間出演し、会場を白樺の森のクリスマスへと誘った。※キュールニング kulning
スウェーデンの伝統歌唱法。
キュールニング(kulning)とは、夏、牛飼いが牛を山の奥に連れていった際、
遠くの仲間と連絡を取り合ったり、オオカミの声の真似をして追い払ったりするために使った唱法。
広大な森と湖の地で放牧を営む牛飼い同士、かなり遠距離から意思疎通を図ったり、
放牧した家畜を呼び集めるために、女性が非常に高い声を自在に操る「キュールニング(牛飼い歌唱)」という意思疎通方法が発達したと言われ、
温度や湿度に合わせて「のどの音」を選び、腹式で裏声ではない高音を作り上げる。そうして生まれた声は、なんと3~4キロも遠くまで届く。