ハーモニーフィールズ

マリ・カルクンは南エストニアにルーツにを持つミュージシャン、歌手、作曲家。 彼女の持ち曲の多くは、自然やエストニアの詩や民族音楽にインスパイアされたオリジナル作品である。歌詞の多くは地元の詩人によって書かれており、田舎の生活、森林、自然の景色を感じさせる。

流れるようなエストニア語やその方言の響きは、彼女の音楽の中で伝統的歌唱法レジラウルや民謡と絡み合い、瞑想的な雰囲気を作り出す。 作曲や伴奏の際に彼女は、カンネル、ピアノ、アコーディオン、ギターを使用し、時にはバグパイプ、ホイッスル、その他様々な楽器も実験的に使用することもある。 エストニアでファーストソロアルバム「ÜÜ TULÕK」( "Arrival of the Night"、レコードレーベルÕunaviks 2007)が、評論家とオーディエンスから注目を集めた。 それ以来、フランス、ハンガリー、イングランド、スコットランド、ドイツ、フィンラン ド、ロシア、アルメニア、日本でコンサートを行ってきた。

彼女のセカンドアルバム「VIHMAKÕNÕ」( "Dear Rain" Õunaviks 2010)は、祖父母に捧げた。 ファーストアルバムから自分にしか出せない音、自分のルーツを大切にしたアルバム制作は一貫しているが、このセカンドアルバムはよりシンプルに、そして実験的サウンドに溢れている。 ちなみにこのアルバムは家庭内のさまざまな場所でレコーディングされた。 Mari Kailkun & Runorunは2012年に結成したヘルシンキを拠点とする国際的なグループである。 即興演奏はバンドアンサンブルをより楽しく、革新的にする過程の大きな役割を担っている。 四重奏ではあるが、メンバー全員が複数の楽器を同じように演奏することが出来、伝統と豊かな創造力に対し、深い理解力を有している。

Runorunのサウンドは、2人の女性ヴォーカルと、コントラバスとパーカッションと2台のカンテレによって構築されている。 彼らのアルバム「Tii ilo」は、フィンランドのレーベル「Rockadillo Records」によって 2015年春にリリースされ、続いて日本とドイツでもリリースされた。 「Tii ilo」とは、移動中の景色の移り変わりの美しさを讃えるような意味である。 エストニアの伝統歌、現代的な詩、Finno-Ugric地方の音楽から力を得て「Tii ilo」のサウンドは、声や弦の激しい轟音を含む内面のリズムから創作された。 Mari Kalkun&Runorunはエストニア、フィンランド、ハンガリーなどの様々な国と地域のフェスや会場で演奏してきた。

また2014年にはエストニアの大統領トーマス・ヘンドリックと一緒にリトアニアも訪問した。マリ・カルクンはエストニア音楽院の伝統歌学科で修士号を習得している。 在学中、彼女は交換留学生として フィンランドのヘルシンキにあるシベリウス学院へ行き、タリンとヘルシンキ両方で、修士課程コンサートを行っている。 彼女はまた最優秀シンガーとして、Estonian Ethno Music Award 2013も受賞している。