ハーモニーフィールズ

イタリア・ナポリで生まれた楽器マンドリン。マンドリンの教育機関として、1929年にナポリ・マンドリン・アカデミーが設立された。その後紆余曲折があり、一時閉鎖されるが、 1992年ナポリ・マンドリン・オーケストラのコンサートマスターでもあるマウロ・スクイッランテ(現学長)、並びににアートディレクターであるレオナルド・マッサの尽力により活動を再開を果たす。 このナポリ・マンドリン・アカデミーの精鋭たちを中心に編成されたのが『ナポリ・マンドリン・オーケストラ』。

同オーケストラは編成をオーケストラにしたり、室内楽にしたりして変化に富んだ活動を展開しており、世界中(ニューヨーク・ドイツ・フランス・イギリス・モロッコ・イスラエル、南アフリカなど) で演奏を披露している。現在はサンカルロ歌劇場やサンピエトロ・ア・マジェラ音楽院と言った ナポリでも重要な音楽学校と提携を結び、これらの学校に於いてマンドリンクラスを立ち上げることにも成功している。

マンドリンは 19世紀から 20世紀にかけて、物心ついた子供たちが最初に手にする楽器として、また軽量かつ安価というわけで、イタリア国内では最もポピュラーな楽器のひとつになった。 しかし戦後、ロックン・ロールの隆盛や音楽ジャンルの多様化などから、イタリア発祥の楽器でありながらも、マンドリンは大変影の薄い楽器となった歴史がある。

マウロ・スクイッランテによれば 「マンドリンと言えは街のレストランの軒先で老人が弾くのを見かけるくらいでした。 なんとかナポリの純粋な伝統の姿を人々に伝えたいと思い、マンドリンを習い始めました。そしてマンドリンを習得した後、アカデミーを再開したいと思い立ったのです。」