多くのエストニア人でさえ「Torupilli Juss (Bagpipe Juss)」もしくは(パスポートの名前によると)「Juhan Maaker」の名前を聞いたことはないと思われる。にも関わらず、20世紀初頭にヒーウマー島に住んでいたこの男性は、エストニアの伝統音楽にとって極めて重要な役割を果たしている。
彼はエストニア伝統音楽において大変重要な人物の1人であり、現代、活動しているあるバンドがバンド名に彼の名前を付けることとなる。それがTorupilli Jussi Trio(トルピリ・ユッシ・トリオ)である。
Torupilli Jussi Trio(トルピリ・ユッシ・トリオ)はフィドルと数百年も受け継がれてきたバグパイプを演奏するメンバーによって構成される。このバンドは、ヒーウマー島出身のバグパイプの王Torupilli Jussが作曲した曲やその同時代の曲、パワフルで愉快なダンスナンバーなど様々なレパートリーを100年近く経った現代に継承し演奏する。
アーカイブ録音に基づいてJussの音楽を聴き直し、再現し直すことは、これまで演奏したことがないような音の高さやロングトーン、目も眩むような音の曲線に、ターンアラウンド、そして非常に素早い指の動きを必要とするものであった。が、Torupilli Jussi Trioの彼女達は、音楽的、技術的な向上を通して、これもまた才能の塊であったTorupilli Jussからの贈り物の一つであると捉えることになる。
Torupilli Jussi Trioは、Torupilli Jussが彼のコンサートの中で作り出したクレイジーかつ爽快な雰囲気を正確に甦らせ、現代のお客様にも同じように再び味わってもらうことを一番大切なコンセプトとし精力的に活動している。