ハーモニーフィールズ

ヨセフィーナの「ニッケルハルパ」
Josefina's Nychelharpa

Josefina's Nychelharpa from Michael Wilkins on Vimeo.

スウェーデン出身のヨセフィーナです。私はニッケルハルパ奏者です。ニッケルハルパは、クロマティック(半音階で鍵盤が並んだ)楽器で、共鳴弦と、そして演奏用の4本の弦があります。これはスウェーデンの民俗楽器です。

ニッケルハルパを演奏するのは、私にとって話しをしているようなもの、私の声なのです。 それに、少し瞑想のようでもあります。弾いていると満ち足りた気持ちになって、例えば食事している時のようにね。 もし私がニッケルハルパを弾けなくなったら、何かが欠けたように感じるでしょう。気持ちが沈んでしまいそうです。だから、朝から晩まで、日によりますが、8時間は弾いています。

私がニッケルハルパを好きなのは、弾いていると楽器から色んな振動を感じること。 体の中に直接その振動が伝わっていて。そして、体に伝わったその振動からの反響を 感じるのです。まるでマッサージみたい。 それに、ニッケルハルパの音は弓で頑張って弾かなくても大きいのです。 その素晴らしい音は、もちろん弓のテクニックも必要ですが、共鳴弦があるからなのです。

私が弾くほとんどの曲は、伝統的な奏法で、伝統的な音色で弾いています。だって、 それは私の母語のようなものですから。 だから、私は人から「伝統に敬意を持っている人、そして、それを恐れず進化させていこうとする人」 と思われたいです。

ニッケルハルパは、スウェーデンの民俗音楽で、特にウップランド地方を代表する楽器です。 ウップランドはスウェーデン中部にあります。 今ではこの楽器は国中に広まりましたが、ウップランドではニッケルハルパの最も長く続いた 伝統があり、それだけでなくその伝統を打ち破り変革もしてきました。

この形は船みたいでしょう。 これは、今日のよくあるニッケルハルパと比べて本当に美しい。これが私の好きな形です。 当初は、もっとシンプルでした。ボドゥンと呼ぶドローン弦は今より多く、そして鍵盤は少なかった。 確か1900年の初めだったと思います。 ニッケルハルパは他の楽器とも一緒に演奏できるように半音階配列の鍵盤を持つ クロマティックタイプの楽器になったのです。

私がニッケルハルパを弾き始めたのは8歳の時です。 私の両親はどちらもミュージシャンで、母はフルート、父はギターを弾きます。だから、両親二人 とも当然、私に何か楽器をさせたかったんです。 そして、これはささやかな反抗でもあったのですが、私がニッケルハルパを目にした時、 これは私自身の表現方法であり、私の楽器、完全に自分のためだけのものになりえると思ったんです。

もし私がニッケルハルパを弾けなくなったら、生きていけません!そんなの考えられません。 ニッケルハルパは私の心であり、腕であり、ただの楽器じゃなく私の体の一部なのです。 だから、もし私がニッケルハルパを弾けなくなるとしたら、何か別の方法を探さないと… だってニッケルハルパは私の声そのものだから。

対訳:Michiko Honda